APIの標準化に伴う多様化する新規参入の脅威

先日、2007年11月15日。Web2.0 EXPO Tokyoでは様々な企業やユーザが参加し、数多くの講演が行われてきた。なかでも日本最大のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を提供しているミクシィの代表取締役社長である笠原健治氏が語った事はECサイトを展開する人達にとって新たな脅威が生まれる事を示唆していると考えることができよう。 ミクシィの笠原氏語ったことは、SNSサイトmixiの登録ユーザ数やページビュー、アクティブユーザの割合など、mixiそのものの報告に加え、SNSの状況分析としてSNSの置かれている状況は今後の動向と言ったいかにもWeb2.0 EXPOらしい内容が中心であったが、その中で注目すべき点は今のような広告収入に依存したビジネスモデルからミクシィ独自のサービスを展開していくことを検討しており、APIを公開していくことで外部サイトからもmixiの内部サービスを利用できるようにしようという計画であろう。

mixiのみならずGoogleやYahoo!等、多くのサイトの収益の多くを広告宣伝収入で賄っていることは周知の事実であり、だからこそSEO対策のように、いかにして広告効果を高めるか、というビジネス環境ができあがっている。しかし、近年のGoogleはGoogleツールバーに始まり、今ではGPhoneといった携帯電話事業にも参入しようとしている一大企業であり、mixiもまた、100億円規模の売り上げとなっている以上、広告収入だけに依存するビジネスモデルには早々に見切りを付け、事業ポートフォリオを組んでいきたいと考えるのは当然のことと言えよう。

さて、今回のミクシィのように大手SNSサイトや検索エンジンを持つサイトがこういったサービス業に進出するとどのようなことが起こるか。挙合企業が増えるということは言うまでもないであろうが、ごく一般的な企業が新たにeコマースを始めると言うこととミクシィのようなサイトがeコマースに進出してくるのでは脅威のレベルも対抗戦略もまるで変わってくる。なぜならば、新たに顧客を獲得していかなければならない企業と比較して、mixi等は既に1000万人規模の会員を有しており、もともと情報サービスを主軸に置いている以上、そこに自社サービスを織り交ぜていくことは、技術的にも容易であり、また同時にマーケティング上においても有利に働く。これだけでも十分な脅威なのだが、もしミクシィが提供するサービスが自社のビジネスとぶつかりあったらどのようになるであろう。

当然、自社のサービスの方がより効果的に伝わるよう、検索エンジンの要領で説明すれば、上位に表示されるであろうし、このサービスが十分な収益を上げるようになった途端に広告の出稿を拒否されるかもしれない。

APIの公開により数多くのサービスが幅広く提供できるようになることには大いにありがたいことだが、陰から忍び寄るガリバーをどのように迎え撃つか。昨日の味方が明日の敵とならないよう、水面下の交渉をしておくことも重要な戦略の一つと言えるだろう。

参考URL
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071116/287366/?ST=pc_news

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